日々想うことを、つづります。
 
8月

72年前の1945年8月6日、朝、戦争はまだ終わっていなかったけれど、夏の暑い一日は始まろうとしていて、子供たちは学校や軍需工場等のそれぞれの場所へ、母親は幼子を背に台所仕事、お父さんも職場や工場、あるいは戦に行っていたかもしれない。戦時下ではあっても人々は懸命にその日を生きようとしていたはず。

そこに大きなきのこ雲に似た人類史上初めて使われた原子爆弾が落とされた。一瞬にして人も街も破壊された。街は焼き尽くされ、河は遺体がひしめき合い、子供を抱いた母親は真っ黒になって立ったまま死んでいく。

そして8月9日、長崎にも同じ核兵器が使われ、この町もまた一瞬にして命も街も、日々の暮らしも奪われてしまつた。人類史上初めて使用された原子爆弾、核兵器。跡形もなく破壊された街に立ちつくし、茫然と涙しつつ8月15日に戦争は終わった。

その後も世界のあちこちで戦いや争いは絶えることなく繰り返されている。その犠牲となるのは子供たちや女性たち。負の連鎖は憎悪を募らせ、恨みを増し、復讐を喚起させる。そしてまた争いや戦いが起きる。連鎖を止める手段はあるのだろうか。

 

8月は様々な記念日に囲まれて、戦争や、核兵器や、差別や、人種、そして平和ということについて、否応なく向かい合わねばならない月である。日本は唯一の被爆国なのだが、核兵器廃絶に関しての署名を行っていない。核保有国と非核保有国の双方が入ってこなければ意味がないからという。ほんとうに? 真っ先に核廃絶に賛成する署名をどこの国よりも早くしなければならないのが、核廃絶の声をあげなければならないのが我が国、日本ではないのか。

 

最近、広島の原爆ドームや資料館をぉとづれる外国人(アメリカ人も含めて)が増えているそうだ。オバマ前大統領が訪問したことも影響しているのかもしれないが、広島、長崎を知ることは戦争の愚かさや悲惨さ、そして何よりも戦争が何も生み出さない不毛なものであることが解るはずである。

 

日本国憲法第9条 1日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。とされていて、これに伴って、戦力は保持しない、国の交戦権はこれを認めない。とされている。今私たちが成すべきことは、現憲法を改正するのではなく、世界のすべての国が同じ条文を有する国になるよう、強く強く働きかけ続けることではなかろうか。それが唯一の被爆国国民の姿勢だと思う。

 

 

【2017.08.07 Monday 17:01】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
ワイン

待ちに待ったシチリア島からのワインが届く。つくばの(株)ヴィナイオータさんに(ワインの輸入業者でもなんでもないのに、無理にお願いして)手続きをしていただいて、やっとアグレステに到着。鉾田の施設「たいよう」の保冷庫に静かに待機している。

はるか日本へようこそ!! 長い長い旅。お疲れ様。今は少し休んで、9月になったら目を覚ましてくださいな!

 

9月には試飲会を開く予定である。一緒にシチリアに行ったシェフが創る大洲流シチリア料理と、同行したカメラウーマンの傑作写真の中から選りすぐりの写真パネル展と、そして何よりはるばると旅をして今ここに来てくれた、あの柔らかな斜面に実ったブドウからできた愛すべきワインと、シチリアの風と光とそして香りをそのままアグレステに運んでみたい。

 

ワインは3種類。赤2種、白1種。すべてを試飲していただきたい思っている。

 

日程等は、アグレステのホームページをご覧あれ。夏休み明けの虫の音がし始めるころに、夕刻から、ワイングラスを上げて、乾杯!! である。 それまでは、私も試飲はお預け、我慢の日々。

 

お楽しみに。

【2017.07.31 Monday 16:16】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
再度、シチリア島

ニュースにアメリカのトランプ大統領が、パリ協定からの離脱を表明したことが出ていた。先日のG7での会議においても、他国からの説得にも応じなかったと報じられている。自国だけの問題ではなく、地球規模の問題であり、今温暖化の危機にさらされて沈んでしまうかもしれない国や島もあるわけで、地球が危機に瀕すればあめりかだのにほんだのといっていられなくなるとおもうのだが・・・。何とも無責任なアメリカファーストのように見える。

今回のG7の会議はイタリアで行われていて、しかもシチリア島タオルミーナ! 一緒に行ったメンバーと、そうそうあそこのあの景色、と言い合ってしまった。

 

シチリアで3日目に尋ねたところ、シラク―サ。

3日目の朝はまさに嵐。風が強く吹いていて、土砂降りに近い雨と雷。そして空は真っ暗。宿舎から別棟の食堂まで土砂降りの中を走って移動する。朝食をとる建物は既に停電になつていて、燭台の灯りのみ。外は大荒れの強風だが出発する。

車中で、杉本カメラ女史が言う。「先生!(彼女は私のことを出会った時から何故か先生と呼ぶ)晴れ女の念力で何とかしてください!」晴れ女を自称してはいるが、この天気ではと思っていたのだが、車での移動中に徐々に雨は上がり、時折雲間からは晴れ間ものぞく。シラク―サの市場についた時には道路は濡れているが雨は上がっていた。晴れ女の念力は本物だったのか?

シラク―サの街に入った途端に何やらギリシャに似た雰囲気を感じさせる。建物もアーチ状の石造りの天井で、かなり古そうに見えた。街並みや広場もギリシャの雰囲気。建物の色合いも。

シラク―サの市場を散策、海に面した街なので魚が多いが、野菜もかなりたっぷりで色鮮やかでおいしそう!! 市場でチーズやサラミを売っているお店のイケメンのイタリアボーイが、私たちが日本人と知って、「ありがとう」と言いながら、チーズを挟んだパンを全員にプレゼントしてくれたのだが、これがめっぽう美味い!のである。

反対側にお魚屋があり、お父さんと息子が店に立っている。写真家の杉本女史が盛んにシャッターを切っているお目当ては息子のほう。彼女の眼にはかなりのイケメンに映っているようだ。イタリア系もあるが、ギリシャっぽさも見える眼鏡をかけたイケメンさん。

この日の訪問先は、海沿いでレストランを営む日本人女性。ご主人はイタリアの方。レストランでは日本食も提供するとか。レストランは海に面した建物の二階。すでに青空が見え始めていて、海のさざ波が光る。

店内はアーチ状に石造りの天井が広がる。ギリシャの建物のよう。日本人の女性オーナーが、この土地はギリシャ系の人たちが多く住んだところだと説明してくれた。そして今もこの建物を維持し残すために、市は条例を作って守っているそうで、古い建物を改築する時には、壊してはいけないところが決められているのでなかなか大変だそうである。古いものを修復する職人もずっと残っているとのこと。すばらしいと思った。日本では昔からの技術が徐々に減って来ていて、職人もいなくなりつつあるのに。

レストランの厨房には日本人の若い男性が働いていた。ここでも大洲シェフは厨房に入って料理をお勉強。この地は魚やエビがたっぷりで昼前だと言うのにワインが進んでいく。ワインは白。客は私たちだけ。今はシーズンオフでお休みの時なのに、私たちのために待っていてくださったのである。

カターニアの町並みは細い小さな路地もとても美しい。光と影に彩られていて石畳の細い路地から上を見上げると、バルコニーが道を隔てて手が届くところにあり、どちらも花が植えられている。映画の1シーンのようでもあり、東夷昔のギリシャの町に居るようで、不思議な感覚になる。

頑丈な鉄の扉や、ほっかりと空いた入口やらに囲まれた、その細い石畳の美しい道を歩いて、カターニアでは老舗と言われるレストランへ行く。ここでは赤ワイン。パスタは少し私には潮が強く感じられた。デザートはメニューに載っているもの全部?頼んで皆でシェアする。シャーベットがレモン味で抜群! ここでも厨房に4人がどっと押し寄せる。この店のシェフは日本のホテルで料理を作ったことがあると言う。東京ベイでだ。日本に呼んでくれたら奥方とともに来ると言うのだが。費用はこちらもちだとすると少し迷う。が、とても気さくで柔らかい人に見えた。

この国の、シチリアの人は皆とても笑顔が似合う人懐こい人達ばかりで、治安が悪いと聞いていたことがまるで嘘のよう。

日本人の、何やら年齢もばらばら、男女も混合で、何やらわけのわからない集団に、皆とても優しかった。

 

 

 

 

 

 

 

【2017.06.23 Friday 15:25】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
人事制度

昨年から手掛けていた、新しい人事諸制度作りがほぼ完了して、大方の土台が出来てきたので、昨日、職員に公表したところである。

平成2年にの12月に社会福祉法人白銀会が認可を受け、翌、平成3年9月1日に知的障害者授産施設しろがね苑を開苑して以来26年を経て、今は施設は5ヶ所、グループホームが13ケ所、利用者の増加は勿論だが、職員も70名近くになってきている。

少人数での組織であれば、全てに目が届き、利用者や職員一人一人が良く見えていたが、徐々にそうとばかりは言えない状況に陥りつつあるようで、今の段階で新しく人事制度を構築しておく必要があると考えていた。

昨年の6月にスタートして、職員への個別の面談、それぞれの職務の実態把握、等々を経て一年、新しい人事制度のベースが出来上がったわけで、これからは、各職員が何を目指すのか、何を今すべきなのかが「見える化」出来ると思っている。

 

法人の事業がしろがね苑単体だったときには、全ての職員と年に一度は直接面談して、現状の悩みや課題、そして次年度の目標について話し合うことが出来て、職員もその面談の時に話したいことを直接話すことが出来ていたのだが、今それが出来なくなっている。

一年間の自己評価をしてもらって、どれだけ自分が頑張って仕事をしているかしっかりPRしたうえでの面談だったので、私にとっても貴重な機会だった。上司と部下と言うよりは、同一事業所で同じ目的に向かって進んでいく仲間、同志のような感覚だったかもしれない。組織が大きくなることは悪い事ではないが、以前のような親密さは薄れていくように思える。

 

今回の人事制度を一言で表現するなら、私たちが利用者に対する個別支援計画を毎期細やかに作成してそれに基づいて支援を行っていると同様に、職員に対する個別支援計画書を職員とともに作成し、それに従って、支援スキルを磨き、知識を蓄えて、職員として、管理者としてステップアップしていく道筋を目に見える形で示す、職員の個別支援計画を創ることと言えるかもしれない。

そしてそこでは人事考課が行われて、計画に盛り込まれた目標の達成度をそれぞれにチェックしていくシステムが導入され、目標の達成度合いによって昇給や昇格、或いは給与の据え置きや降格が決められて行くことになる。それが繰り返し行われて、個々の職員がそれぞれの目標を次々に達成することが出来れば、それは紛れもなく、法人の存在価値を確実に高めて行くことになるのである。

 

社会福祉事業が行政処分による所謂措置の時代は、職員の給与に差をつけると、監査で差をつけないようにと指導を受けたのだ。私にはそのことがとても不合理なことに思われた。頑張った人には+、何もせずに時間だけ過ごしている人には−。当然が当然ではなかった時代があった。それでは、職員の、人のモチベーションは下がって当然ではなかろうか。

 

働くということは自分を高めて行くプロセスでもあるのでは? 何日経っても、何年過ぎても、変化も何もない同じ自分しか見えなかったら淋しいと思わない? 

 

新人事制度は7月1日に運用を開始し、スタートする。人事考課者のトレーニングもこれからである。運用してみて不都合があれば修正、改良する。  

 

【2017.06.14 Wednesday 14:43】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
よろしくお願いします。

彼女から、結婚したいと言う話を聞いたのは1年ほど前と記憶する。彼女は18歳でしろがね苑に来て、22歳で就職そしてグループホームに移った。仕事も、最初はパート社員だったが今は正社員になっている。とても頑張った中の一人である。

結婚したいというお相手は別の施設のグループホームに住んでいる人。これまでも二人で会社のイベントに参加したり、マラソン大会に行ったりしていることは聞いていたが、私はまだお相手の方に会ったことがない。ので、昨日、お相手の方の施設の方たちと、私どもと、当人たちが顔合わせをすることになった。

当人たちの希望は、アパートを探して一緒に住みたい。2〜3か月一緒に生活してみて、そのあとに結婚を考えたいとのこと。相手の方が言うには、今はいいところしか見えないけど、一緒に住んでみるといろいろな面が解るだろうとのこと。アパートの場所は、二人の職場の中間点にしたいのだそうな。

 

これまで、私たちが関わっている人たちの中で結婚した女性は2人いるが、どちらの女性もお相手の男性はハンディのない方だった。今回の二人はどちらも軽度ではあるが、知的ハンディのあるカップル。心配がないと言えば噓で、心配だらけ。二人ともに両親は既にいない。助っ人になってくれる肉親もいないに等しい。

でもとにかく進んでみよう。足りないところは私たちで補えばいいことだし、やってみてダメだったときはまた考えればいいのだ。

二人で家を探すと言うので、もしかしたら、ハンディのある人には部屋は貸せないなどと言われることもあるかも知れず、その時は相談するようにと伝える。

お相手の男性が所属する施設の方には、私が親代わりのようなものですのでよろしくお願いします、と挨拶する。

 

5月にはお互いの休日を調整して、アパート探しをすることになった。たぶん結婚した後とか、同棲を始めた後とかよりも、二人で住む家を探すときのほうが、ずっと心弾むときに違いないと思う。心いっぱい幸せを感じるときに違いない。

 

ともかくは、良かったね!! 

 

 

 

【2017.04.20 Thursday 15:38】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
報告その2

シチリア島に同行したのは、アグレステのシェフ1名、企画と準備、手配をしてくれた中山さん。中山さんはイタリア大使館まで問い合わせをしたりして企画と準備をしてくれた。お蔭でずっと現地在住の日本人通訳が付いて、イタリアのイケメン若者の運転で移動も出来て快適だった。そしてカメラウーマンの杉本さん。なんと、1800枚もの写真を撮ってきている。そして4月1日から28日まで新宿NSビルのニコンギャラリーで「シチリアを旅して」と銘打つ彼女の写真展が開催されている。加えて、私たちが乗って行ったイタリアのアリタリア航空の機内PR誌にも彼女の写真が採用されて、彼女の顔写真入りで掲載されるのだそう。何と、杉本女子は国際的写真家になってしまったのである。

 

シチリア島2日目は、ご夫婦で経営するチーズ工房へ。牛乳ではなく、羊、山羊の乳から作るチーズ。工房の裏手には羊や山羊が育てられている。子ヤギが沢山いて、大きな声で啼いている。とてもかわいい、そしてとても清潔にされていた。チーズはそこの陽気な笑顔のお母さんと、一人の男性が一緒に作っている。サングラスをかけたがっしり体のお父さんは説明、案内役。チーズを切り分けてくれて、試食したのだが、少し塩気が多い。ワインが欲しいね・・とつぶやいたら自家製のすっきり味のワインをご馳走してくれた。お母さんと対照的にお父さんは笑顔があまりないのだが、気持ちは優しいのである。

そこのチーズ工房では、海に近いところに小さなお店を出しているので、そこもお邪魔して皆であれこれチーズを買い、夜の宴会に備える。お店がある通りの街路樹はオレンジの木で、オレンジの実がなっていた。オレンジの実は食べられそうに見えるし、たぶん食べてもいいのだろうけれど、誰も手は付けづに色づいている。道路の向かい側にはスーパーがあり、皆、興味津々で入ってみる。果物は山積みにされていてとてもおいしそう、リンゴは少し日本よりも小振り、ブラッドオレンジも山積み、そしてどれも安い。当然だがイタリア料理の食材が沢山ある・・当たり前なのだけれど、狂喜する。これも当たり前だけれど、日本で買う値段の何と高い事か。

 

昼食は、有名な海沿いのリゾート地のタオルミーナへ。海岸沿いからくねくねと曲がる細い道を上に上にと登って行く、細い道沿いにはレストランやカフェ、ホテルなどなどがひしめいている。展望広場から見る海はかぎりなく蒼く、波頭もなく穏やか。くねくね道を登りきったところの教会があり広場が見えるレストランのテラスで昼食。シチリアの人たちは、地元の食材やワインをとても大切にしていて、料理には地元産品をふんだんに使っている。そしてその美味しさを自慢するのだ。確かにおいしいし、食材も豊富である。同行したアグレステのシェフ、大洲さんは、この店の厨房に入れていただいて、一緒に料理をさせてもらっている。食事に行ってその場で、厨房見学をお願いしたのだか、快く笑顔で受け入れていただいた。大洲さんが入ると言うことは、通訳が一緒で、カメラマンも一緒。大人数である。大洲さんは料理もさせていただいた。

このお店のシェフはもとはフランス料理を作っていたのだとか。道理で、会計の時に「マダム」と呼びかけられたのはそのせいだと思い至る。

 

 

【2017.04.11 Tuesday 16:10】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
なおらない癖

児童養護施設から苑に入られた方、仮にKさんと呼ぶ。18歳で来て、すでに6年がたつのだが、Kさんは就職という場面に乗れないでいる。ハンディは重くはないので、仕事はできるのだが、一つの癖が大いに邪魔をしているのである。癖は盗みである。何度も何度も繰り返してしまう。盗む物は同室の人の物だけでなく、他の部屋の人の物もあり、品物だけでなくお金も入る。時にCDだったりボールペンだったり、自分で買おうと思えばすぐに手に入るものばかり。苑で受け取る工賃の範囲内で手に入れられる金額の物。

コンビニやスーパーでも、お金を払って購入したもの以外に、1つ、2つと万引きする。が、一度も見咎められたり、捕まったりしたことがない。そのたびにキツイ注意を受け、職員から盗みは犯罪であり決してしてはいけないのだと言われるのだが、その時はメソメソと反省のような状況は見られるのだが、また同じことの繰り返し。

盗みが度重なり、他の利用者全員から攻められるような事態になってくると、居室の窓から無断で苑を出てしまうという行為を繰り返す。先月に出て行ってスーパーで保護されて帰ってきたときにはレターセットを万引きして所持していた。

何度も他の利用者の物を盗る行為を繰り返すと、他の利用者は離れてしまい、Kさんは一人ぼっちのような状態になっていく。それが自分の癖のせいであるということには繋がらなくて、一人ぼっちの寂しさがまた盗む行為になってしまうのだろうか。

正直な感想を言えば、養護施設から入苑してきている人たちはそれぞれに盗みだけでなく、様々に多くの課題や問題、それも反社会的行為と言われる事柄が散見される。それは何処から来るのだろう。親からの愛情を受けられなかったせいなのか。本人の資質がそうだったのか。大人から守られるという体験、実感が乏しいせいなのか。自分自身の存在を認められないでいるせいなのか。

よく解らないが、本人は自覚していないが、どこかに満たされないままの空洞があって、それが何処からくるもので、どう埋めて行けばいいのかが解らずにいるのかも知れない、とも想う。が、私にも空洞が何処から来て、どういう方法で埋めて行けるのか、皆目わからないが、人としてしてはいけないことは、外部の力を借りてでも知らしめていく必要はあると思っている。それは、何にもましてKさん自身の利益になることなのである。

 

【2017.04.03 Monday 11:51】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
ご報告

3月は予定が詰まっていて、スケジュール表が日々埋まっていて、2月にイタリアのシチリア島に行ってきた報告もまだしていない。

2月6日、午後2:00に成田を出発。ローマからイタリアの国内線に乗り換えてシチリア島、カターニアに23:00に到着する。

その日はカターニアのホテルに宿泊し、ホテル近くの路地(とても美しく、静かで落ち着いたたたずまい)にある店で夜中の食事を摂る。この店のマルゲリータがとても大きい。女性でもこの一枚全部食べるの?と聞くと、そうだとの答え。ほかの料理もかなりたっぷり目。

次の日メッシーニという所にあるワイナリーとオリーブオイルを製造しているアグリツーリズモを訪問。ワイナリーの主は御年82歳のおじい様。だが、広いブドウ畑を自ら案内してくださる元気な方。お商売で日本に行ったこともあるとのこと。ここのワイナリーは紀元前からブドウを栽培しているそうで、巨石をくりぬいて作られたブドウを絞る台がある。ブドウ畑はなだらかな斜面になっていて、土質はあまり良くなさそう。雨が降ったら大量に流されてしまいそうな土である。もしかしたら、ブドウの栽培以外に、作物は育たないのかもしれないと想ったりもする。が、ブドウの木は全て90cm間隔で植えられており、整然とした畝となり、人の手によって、丁寧に手入れされ、とても美しい光景が、なだらかな丘を覆うように広がっている。風もなく暖かで、シチリアの日差しがたっぷりと注がれている畑を、少し汗ばみながらゆっくりと巡る。

試飲させていただいたワインは4種。絶品は、生まれたてのワイン!発酵が済んだ直後のもの。日本酒で言えばどぶろく状態?か。ワイナリーでなければ出会えない赤ん坊のワイン。だがこれは買えない。白と赤をそれぞれ購入して夜に皆で飲むことにする。

 

次に行ったのは、オリーブオイルを製造しているアグリツーリズモ。工場は別の所にあるので、映像で製造過程を、お二人の共同経営者の方が説明してくださる。1つは、数種類のオリーブをミックスして作ったもの。もう一つは単一のオリーブから作るピュアなオイル。ミックスとピュアを試飲する。オイルの試飲?初体験!小さなグラスに注がれたオイルを両手で包んで少し温め、最初はそのまま飲む。次は鼻をつまんで飲むのだ。ミックスはさほど感じないが、ピュアは鼻をつまんで飲むと喉がかなりイガイガする。オリーブオイルは熱してはいけない、料理にかけて食するのだとご教示いただく。そしてそこで出していただいたお料理、例えばイワシ料理とか、ヒヨコマメのソースと焼いたタコのお料理とか、すべてにオリーブオイルをたっぷりとかけて食する。ヒュアオイルはとても綺麗なグリーンの色である。たぶんこれを日本で買おうとすると、かなり高いのだろうと想像する。

 

第1日目はここまでで、今日からの宿舎になるカラタビアーノというところのアグリツーリズモに。ここからは雪を冠し、白く噴煙を一筋たなびかせた、エトナ山の大きな姿が目の前にそびえるのを見ることが出来た。第2日目からの報告は次回に。

【2017.03.28 Tuesday 11:40】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
シチリア島

インフルエンザがはびこっているようで、学級閉鎖の話も聞く。苑ではまだ一人もインフルエンザには罹っていない。グループホームかのこのメンバー一人がインフルエンザと診断されたが、他のメンバーへの影響は無し。

他の施設では猛威を振るっていて大変な所もあり、亡くなった方も出ているとか。苑の人たちは、若さも影響しているのかもしれないが、多少熱があっても食事は摂ってくれるので、回復も早い。今は風邪ひきさんは一人もいない。皆元気に仕事をしている。

 

昨日の夕刻、グループホームに住むOさんが、購入した車が納品になったとのことで、車を見せに来てくれた。中古車の軽自動車だが、カーナビも付いていて、車内も広く立派である。Oさんが望んでいた車種だとのこと。良かったね!!

 

来週、ずっと行きたいと思っていた、イタリアのシチリア島に行く。アグレステのシェフも同行して、現地で料理をお勉強することになっている。私はワイナリーと、チーズ工房、オリーブ園等々、のぞいてみて美味しいワイン、チーズ、オリーブオイルなどなど仕入れたいと思っている。家族で営む小さなワイナリーを見たいと思っている。直接買い付けて日本に送れるといいのだけれど。

シチリアは靴の形のイタリアの先の海に浮かぶ島、靴で石を蹴っているように見える島である。そしてイタリアマフィアの島とも言われている。映画のゴッドファーザーの世界か。かつてマフィアの一員だったような、品の良い、顏に深い皺を持つおじいさんが、夕暮れの海辺で、パイプをくゆらせながら、ワインを飲んでいる、ような風景に出会えないものかと想像をたくましくしているところだ。

 

シチリアはイタリア料理の原点でもあるのだそうだ。海のものがとても豊富のよう。ワインもきっと魚介料理に合うに違いない。若すぎない、かと言って重た過ぎでもなく、成熟のほんの少し手前位のワインを想像してみる。青い海と空に似合うのは白か、赤かまたはロゼのような色だろうか。

 

ワインとチーズとオリーブオイルを仕入れてきたら、シチリア島行きの報告会をしたいと思う。シェフが学んだ料理もお披露目しなければならない。シチリアの空気と匂いと色も一緒に。

 

そのために来週一週間は私の勤務表がお休み印になっている。それを見て、苑の女子利用者が、「苑長は何でこんなにお休みなの」

と言ってくれた。「用事があるの」と答えた。ゴメンね、帰ってきたら「実はねー」と話すつもり。

 

取り敢えず、行ってまいります。

【2017.02.03 Friday 12:09】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
今年もよろしくお願いします

新年のご挨拶も遅くなり、早1月も半ば。

今年の石岡市の成人式は8日(日)。苑では3人が新成人となり、一人は振り袖姿であでやかに。それぞれに皆いろいろ問題を抱え、本人の力だけでは解決もままならない事ばかり。でも二十歳だ!!前に進もう!!精一杯櫂を漕ぎ、大海原に出て行こう。白銀会という親船が傍からしっかりガードしているから心配はいらない。力いっぱいすすめ!

 

今年4月には、少し離れているが、鉾田市汲上というところに、新たに施設を立ち上げる予定でいる。法人にこの地域出身の職員がおり、白銀会の障害者就労支援のノウハウを、自身の出身地にも広めたいとの意思から。昨年土地を取得し、今、建物の改修を始めようというところである。施設名は、社会福祉法人白銀会 多機能型障害者支援施設「たいよう」。ここは旧大洋村であり、太平洋の大洋に面しており、この施設で実施しようとしている農業中心の仕事に太陽の光は不可欠のもの。なので、「たいよう」。明るく、大きく、暖かい場所にしていきたいと思う。

 

もう一つ、今年は社会福祉法人白銀会の組織の構築をきちんとしておきたいと思い、昨年から準備を進めてきている。法人は25年を経た。これまでは、善し悪しは別に置いておくとしても、法人の進路や経営、運営は理事長の独断で実施してきたのが実態。だとすると、理事長が変わるときには、この法人も大きく変わりかねない危惧が出てくる。法人としての考え方や理念、方針、福祉の在り方など、変えてほしくないものも変わってしまったのでは白銀会の存在価値が失われてしまう。

 

昨年来の法人改革を見るとき、その危惧は大きくなってきている。改正された仕組みからすると、いつでも理事長の首はすげ替え可能であり、理事長職にあったとしても、その職権は職務執行権だけである。法人の意思決定機関は理事会ではなく、評議員会にが持つ仕組みとなる。

 

そのこともあり、ここで、法人組織とそれに伴う各役職員の職務内容についても明確にして行って、当法人で各職員はどのような責任と役割を持ち、どのような考え方、方針、理念の基で職務を遂行するのかを明らかにしておきたいと思っている。これまで職務はあったが、職責については全てを理事長施設長が担っていたものである。これからは、それぞれの職員が、その役割に応じて責任を持ち職務について欲しいと考えている。

そして、理事長が変わった後も、この法人が目指している、実践している、障害者支援の考え方を踏襲していってほしいと思う。

大仰な言い方かもしれないが、もし、仮に、社会福祉法人白銀会における福祉の理念や実践が途絶えたとしたなら、それはハンディのある人たちが再び出口のない施設に閉じ込められてしまうように想えてならないのである。それは明らかに共生やインクルージョンの考え方から遠ざかることだと言わざるを得ない事態であろう。

 

私たちは、ハンディの有無に関わらず、同じ地球上の同じ街で、同じ空気や同じ光、同じ時間を共有して生きている人間という同じ種に属する仲間なのである。

 

【2017.01.20 Friday 12:13】 author : 長谷川 淺美
| - | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |