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世帯分離

ご承知の通り、私ども法人には入所施設があり、通所施設があり、グループホームがありで、様々な暮らし方や、施設利用の方法がある。18歳で入所施設を利用すると、20歳までは扶養義務者に利用料の支払いが生じるが、世帯は親とは別になる。そして本人が20歳になれば親が利用料を支払うことは無くなり、本人の収入によってのみ利用料負担額が決められるため知的ハンディのある人たちについては負担は限りなく小さくなる仕組みである。

通所施設を利用する場合は、親と同一世帯であり、18歳から20歳までは扶養義務者の収入によって負担額が変わってくるが、20歳からは同一世帯であれば、本人に収入があれば世帯全体の収入に組み入れられることになる。

例えばその世帯が生活保護を受給している世帯だとする。親と知的ハンディのある3人の子が暮らしていたとすると、生活保護費は親の生活費と3人の子の扶助費も加算されて支給されている。3人の子の内、一人が就職して給与を受ける、もう一人が通所施設利用ではあるが作業力もありそれなりの作業工賃を受け取っている、もう一人も通所施設に所属していて工賃を受けているとすると、その収入は3人の子のひとりひとりの収入なのだが、同一世帯なので世帯全体での収入となり、生活保護費は大幅に減額になってしまい、3人の子の収入で世帯を維持することになる。

今、その3人の子(1人は19歳、2人は20歳代)の進路について協議中である。一人は企業への就労、一人は障害基礎年金を申請中で、年金が受給できれば、通所施設からの工賃と年金で、グループホームへの入居を希望している。もう一人は働く意欲が少し低い段階でもあり、まだ、どうしたいのか決まらずにいる状況だが、3人の子の進路が希望通りになれば、この世帯に支払われていた生活保護費は大幅に減額されて、3人の子の収入でこの世帯を維持することになる。出来れば一人一人の収入は、それぞれの生活、暮らしづくりのために使わせてやりたいと思うのだが、同一世帯ではなかなかにままならない現状がある。ならば、就職もせず、工賃も低く抑えてこのまま生保を受けていくのか。

何を目指して私たちは支援をしてきているのか。何が本人たちの望みなのか。何をしてハンディのある人たちの自立とするのか。この人たちの未来は誰がどう作っていくのか。

親の了解を得て、市役所と協議する。同居してはいるが、世帯を分離することはできないのか、福祉課と生保担当に話をする。扶養分は減額だが、大幅な減収にならない程度で、一人づつ、世帯分離を図ることは可能のようである。

12月1日付で一人が企業に採用となった。もう一人は障害基礎年金の支給を待っている。近い将来には二人がグループホーム入居の可能性も考えられる。

後日、職員に、この3人のお父さんからお礼の言葉があったそうである。

 

【2016.12.09 Friday 15:45】 author : 長谷川 淺美
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