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なおらない癖

児童養護施設から苑に入られた方、仮にKさんと呼ぶ。18歳で来て、すでに6年がたつのだが、Kさんは就職という場面に乗れないでいる。ハンディは重くはないので、仕事はできるのだが、一つの癖が大いに邪魔をしているのである。癖は盗みである。何度も何度も繰り返してしまう。盗む物は同室の人の物だけでなく、他の部屋の人の物もあり、品物だけでなくお金も入る。時にCDだったりボールペンだったり、自分で買おうと思えばすぐに手に入るものばかり。苑で受け取る工賃の範囲内で手に入れられる金額の物。

コンビニやスーパーでも、お金を払って購入したもの以外に、1つ、2つと万引きする。が、一度も見咎められたり、捕まったりしたことがない。そのたびにキツイ注意を受け、職員から盗みは犯罪であり決してしてはいけないのだと言われるのだが、その時はメソメソと反省のような状況は見られるのだが、また同じことの繰り返し。

盗みが度重なり、他の利用者全員から攻められるような事態になってくると、居室の窓から無断で苑を出てしまうという行為を繰り返す。先月に出て行ってスーパーで保護されて帰ってきたときにはレターセットを万引きして所持していた。

何度も他の利用者の物を盗る行為を繰り返すと、他の利用者は離れてしまい、Kさんは一人ぼっちのような状態になっていく。それが自分の癖のせいであるということには繋がらなくて、一人ぼっちの寂しさがまた盗む行為になってしまうのだろうか。

正直な感想を言えば、養護施設から入苑してきている人たちはそれぞれに盗みだけでなく、様々に多くの課題や問題、それも反社会的行為と言われる事柄が散見される。それは何処から来るのだろう。親からの愛情を受けられなかったせいなのか。本人の資質がそうだったのか。大人から守られるという体験、実感が乏しいせいなのか。自分自身の存在を認められないでいるせいなのか。

よく解らないが、本人は自覚していないが、どこかに満たされないままの空洞があって、それが何処からくるもので、どう埋めて行けばいいのかが解らずにいるのかも知れない、とも想う。が、私にも空洞が何処から来て、どういう方法で埋めて行けるのか、皆目わからないが、人としてしてはいけないことは、外部の力を借りてでも知らしめていく必要はあると思っている。それは、何にもましてKさん自身の利益になることなのである。

 

【2017.04.03 Monday 11:51】 author : 長谷川 淺美
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